空気までを写真に映し込んでしまう”これまじレンズ”「Carl Zeiss Makro-Planar 2/50 ZE」
今日のゲストはfinderメディア部門主宰者であり、かつ、写真家でもある本田正浩さん。
おかっぱ頭がトレードマークで周りの方からは「おかっぱん」と呼ばれこよなく愛されています(笑)
みなさん、finderというメディアをご存知でしょうか?
finderとは地域で面白い取り組みをしている人を写真をメインに紹介しているメディアであり、プロジェクトとしては主にITを主軸とした地域の活性化の支援を行っています。
本田さんはそのメディア部門の主宰者であり、日々、地域に出向いては魅力ある人々を取材し、その人々を撮影しては記事にされています。
今回、そんな本田さんにご紹介いただいた「これまじ!」アイテムはこちら!
Carl Zeiss Makro-Planar 2/50 ZE
一眼レフカメラのレンズです。
Carl Zeissとはドイツの光学機器メーカー”カール・ツァイス社”のことであり、一般的には同社のライセンスを受けて作られたレンズを指すのだそうです。
こちらのレンズは50mm単焦点レンズであり、人間の視野にちょうど合うレンズとのこと。
このレンズ、実は、オートフォーカス機能もついていなければ、ズーム機能さえもありません。
昔ながらに、レンズを回して焦点をあわせ、大きく撮りたければ自分が被写体に近づいて撮らなければいけません。
なぜ、このようなレンズが本田さんにとって「これまじ!」アイテムなのでしょうか?
本田さんは次のように話してくれました。
「このカメラは確かに今のレンズに比べると面倒な点が多いのですが、とにかく写りがむちゃくちゃいいんです!
なんて言うんだろう。立体感がより出るというか、空気までを映し込んでしまうっていうのかな・・。
本当いい感じの雰囲気が出るんですよ!人物を撮るとまるで背景に人を貼っつけた感じに見えるぐらいに、被写体が浮き上がるんです。
通常撮影にはライトを当てたりといろいろ準備をするのですが、このレンズはこれだけで絵が作れてしまうんですよ。」
「取りあえず、撮影した写真を見てください!」と見せていただいたのが、こちらの写真!(クリックでfinderの該当記事に飛び、拡大写真が見れます。)
これはすごい!
本田さんがおっしゃるように本当に被写体が浮き上がっており、空気までを映し込んでしまうということが素人の私にも理解できます。
続けて、見せてくれたのが、こちらの写真。
これまた素晴らしい写真です。
ピントがあたっていないところの絶妙なボケ加減が、立体感を作っています。
この写真を見れば、カメラマンが何を撮りたいのかひと目でわかります。
こんなにも素晴らしい写真が撮れるこのレンズですが、決して万能というわけではありません。
オートフォーカス機能がないので、焦点を合わすのに時間はかかりますし、ズーム機能もありませんので被写体に合わせて自分が動かなければいけません。
つまり、子どもや動物など動くものを撮影することには向いていません。
ただ、裏を返せば、じっくりとその被写体と向き合って撮るのであれば、これほど素晴らしいレンズはないということです。
また、誰にでもお勧めできるものではなく、写真についてある程度の知識がある人にお勧めできるレンズとのこと。
これも裏を返せば、これから写真の基礎をしっかりと学びたい方にはぴったりのレンズということです。
昨年このレンズを購入されてからというもの、どれだけ遠方に行こうともこのレンズだけは持っていくという本田さん。
今では本田さんとfinderにとっては決して欠かすことのできない「これまじ!」アイテムとなっているのです!
おまけ:新しいカタチの写真家
本田さんは飯山満(いいやままん)というアーティストネームでプロの写真家としても活動をされてきています。
これまでコンテスト等で多数の受賞経歴がある写真家なのですが、その一方で新しいカタチの写真家を模索しています。
一般的な写真家は自分の写真が雑誌等に採用されることを目指して活動しますが、本田さんはそうではなく、ご自身のメディアの目的の手段として写真を使うという試みをされているのです。
主宰されているfinderの目的は ”情報発信で、地域の魅力を伝える活動” ということです。
そして、本田さんはそれを写真で行なっているのです。
finderは写真にフューチャーしたメディアなので、そこに写真が掲載されることで写真が生き生きとし、finder自身が本田さんの作品集にもなり得ます。
そして、その写真を見て「いいなぁ」と思ってもらえれば、そこから仕事が生まれたり、他の地域の人も記事を読んで、プロジェクトに取り組んでみたいなぁと思ってくれれば、そこにも仕事が生まれる可能性が広がります。
本田さんはこのように、従来のプロの写真家として位置づけられた仕事のあり方ではなく、写真を撮るという行為も仕事として位置づけられるようになればいいなと考え活動しているのです。
今回のゲスト
finderメディア部門主宰者、写真家 本田正浩さん (facebook)
写真家・finder(http://fin.der.jp/)主宰
飯山満(いいやままん)という名前で写真作家活動も行う。
(http://www.iiyamaman.com/)
1976年東京生まれ