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激選された最高の品質!ワインのように楽しむコーヒー「スペシャルティコーヒー」

坂尾 篤史さん
今日のゲストは東京奥沢駅近くでカフェ「ONIBUS COFFE」を経営し、バリスタでもある坂尾篤史さん。

バリスタ世界チャンピオンの店『ポールバセット』で焙煎やバリスタトレーニングの経験を積んだ後、「ONIBUS COFFE」を開いたのは昨年1月。

ONIBUS COFFEE

元々、坂尾さんはゼネコンに勤め、その後は大工にとまったく畑違いの分野におられました。
当時はコーヒーにはまったく興味がなかったのですが、仕事を辞め海外を1年間旅したときに、オーストラリアのシドニーで初めてカフェの魅力に取り憑かれたと言います。

シドニーには「ONIBUS COFFE」のような小ぢんまりとはしているものオシャレなカフェが1ブロックごとにあり、どの店も賑わっており、どこで飲んでも美味しく楽しい時間を過ごすことができたのだそうです。

それからというもの坂尾さんは他の国に行ったときも、バックパッカーの方々と情報交換をしながら現地のカフェに行くようになり、どんどんとカフェ、そしてコーヒーの魅力に取り憑かれていくことになったのです。

そして、帰国したら、絶対にカフェを開こうと決意し、『ポールバセット』で経験を積むことになったのでした。

さて、そんな坂尾さんが紹介してくれた「これまじ!」はこちら!

スペシャルティコーヒー

スペシャルティコーヒー

「まずは飲んでみてください」と出されたコーヒーがこちら。
一口、口に含んで思わずびっくり。

「これってコーヒーなんですか?」

そう聞いてしまうほど、コーヒーらしくないコーヒーなのです。
私がいただいたスペシャルティコーヒーはフルーティでなめらかな舌触りで、どちらかと言えば紅茶に近い風味のものでした。

坂尾さんはスペシャルティコーヒーについて次のように説明してくれました。

「スペシャルティコーヒーは日本のコーヒーの中で5%程度の流通量しかなく、品質が非常によいコーヒーなんです。製造時に土壌管理や、品質管理が徹底してきっちりされています。
通常、コーヒーと言えば苦いというイメージがありますが、スペシャルティコーヒーはワインのような楽しみ方ができるんですよ。」

実は近年、スペシャルティコーヒーは世界的に注目されており、北欧やニューヨーク、オーストラリアのメルボルンではだんだんとスターバックスのような多店舗展開のお店がつぶれてきており、お店は小さいけれども、激選した品質管理をしているスペシャルティコーヒーを提供するところが多くなってきているのだそうです。

スペシャルティコーヒーはレモンやジャスミン、ピーチなど様々な風味のものがありますが、実際にそうした果汁が入っている訳ではありません。
あくまで、コーヒー豆のみで抽出されているのです。

ONIBUS COFFEE

なぜコーヒー豆のみでそのような風味を出すことができるのでしょうか?
坂尾さんは教えてくれました。

「コーヒー豆って実は豆じゃなくて、果実なんです。
元々果実だから、焙煎の仕方で果実のような風味が出せるんですよ。
苦いコーヒーってありますよね?あれは実は焙煎しすぎて、豆が焦げちゃってるんですよ。
品質がよくない豆は深煎りにして、焦がして味をごまかしているコーヒーも残念ながらあります。
品質が良いコーヒー豆はそれぞれ個性があるので、苦さが出ると苦さにその個性が隠れてしまうことになります。
ですので、苦くならないように焙煎をしてあげて、それぞれの豆の個性を出してあげるんです。」

コーヒーの実

コーヒーの実

いやー、すごく深いですね。
コーヒー一杯抽出するのに、これだけのこだわりがあることは知りませんでした。

坂尾さんのお店はご自身がぜネコンに勤め、大工もしていたということもあり、すべて手作りされたそうです。
しかし、焙煎機やエスプレッソマシンには出し惜しみをせずによいものをそろえ、その金額は車2台分近くするものだと言います。

コーヒーを入れる坂尾さん

これだけ手間暇かけて、かつ、よい機械を使用して一杯を抽出するのであれば、とても高い金額になるんだろうなと思い、「ONIBUS COFFE」のスペシャルティコーヒーの金額を尋ねてみました。

なんと、一杯390円とのこと。
事業計画を立てたときにこの金額ではどれだけ計算しても採算が合わなかったそうです。
しかし、坂尾さんは手頃な価格で美味しいコーヒーを日常に取り込んでもらうことで、多くの方に幸せを感じてもらいたいという思いでこの金額に決めたと言います。

坂尾さんは「ONIBUS COFFE」のコンセプトをお話してくれました。

「手から手と渡るぬくもり、それは人と人を繋ぐコミュニケーションの一端を担います。
点と点を結び、また点から点へと繋がっていきます。
「ONIBUS」とは、ポルトガル語で“公共バス”、「万人の為に」という語源を持つ言葉です。
バス停からバス停へと人を繋いでいく日常。
そんなバスのように人と人を繋ぐという思いを込めて、オニバスコーヒーと名付けました。
日常にとけ込んだ一杯、そんなコーヒーをお届けしたいと考えています。」

人と人をつなぐコミュニケーションの場となっているONIBUS COFFEE

人と人をつなぐコミュニケーションの場となっているONIBUS COFFEE

素晴らしい想いですね。
採算が合わない部分は飲食店に豆を卸したり、コーヒーを楽しむための教室を開くなどして補い、手軽に日常に取り込める金額で提供されているのです。

坂尾さんは最後にこうしめくくってくれました。

「ワインだと何千円もするものが、同じクオリティのコーヒーなら390円ぐらいで楽しめることができます。
スペシャルティコーヒーは、特別なものを日常に持ち込める飲み物なんです。」

うーん、坂尾さんこれまじ!!
素敵です!!

    

>>「ONIBUS COFFE」のホームページ


より大きな地図で ONIBUS COFFEE を表示


坂尾 篤史さん

今回のゲスト
「ONIBUS COFFE」経営者・バリスタ 坂尾篤史さん (facebook

1983年生まれ。オーストラリアでカフェの魅力に取りつかれる。約一年のバックパックを経て帰国後、バリスタ世界チャンピオンの店『ポールバセット』に入社。焙煎やバリスタトレーニングの経験を積み、2012年に独立。奥沢に『オニバス コーヒー』をオープンさせ、人と人を繋ぐをコンセプトに新店舗立上げや、バリスタトレーニング、コーヒーセミナーなど行っている。


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