共働き夫婦の強い味方!自宅訪問型病児保育サービス「フローレンス」
他人に紹介したいぐらい心の底から良かったと思えるサービス、それって私たちの「困った」を解消してくれるものなんじゃないでしょうか。
たとえば、小さなお子さんを持つ親なら、「子供が急に熱を出した」「でも会社を休むわけにいかない」「誰か面倒を見てくれる人がいれば・・・」こんな切実な思いがあるはずです。
そうしたニーズに応えてくれる病児保育サービス「フローレンス」が今回の「これまじ!」です。
兄妹の難病が福祉の道へのきっかけに
ご紹介いただくのは株式会社ソーシャランドの代表、矢澤修さん。
社名は「Social+and~」で、主力事業の「ソーシャルメディアと何かを繋げて価値を出す」、そんな思いからきています。
矢澤さんがとくに関心を寄せているのは少子化の問題や児童福祉。
それもそのはず、もともと大学では社会福祉学を専攻、そのままいけば社会福祉士になっていてもおかしくなかったのです。
矢澤さんを福祉の道へ向かわせたのは、自身の家族環境にありました。
4人兄弟の次男だった矢澤さん。
しかし、悲しいことに、一番上のお兄さんは矢澤さんがまだ中学生の頃に16歳で、一番下の妹は大学生の時に17歳でそれぞれ亡くなってしまいました。
先天性の筋ジストロフィーという難しい病気によるものでした。
そのような難病を抱えて共に生きる、家族の負担や苦労は言うまでもありません。
そうした家族を休ませ、心身のケアサポートをするNPO団体があるとのことで、そこが主催する野外キャンプなどに矢澤さんも子供の頃からよく参加していたそうです。
同じく身内に難病や障害を持つ他の家族と交流するうちに、福祉への志が芽生えてきたのは自然なことだったかもしれません。
「人と人をつなげる事業を起こしたい」その思いが道を切り拓いた
ですが矢澤さんは、単に社会福祉士になるのではなく、もっとインターネットの力を活用して、病気の現状を世に広めたり、患者や家族が情報を交換しあえたりできるんじゃないかと、IT時代ならではの可能性を感じていました。
加えて「新しい事業を起こしたい」という起業マインドも持ち併せていました。
結果、「ネットの活用」「新しい事業」ができそうな会社として、Yahoo!Japanに入社。
2年少し働いて、「人と人をつなげるサービスを作りたい」という、自分の中で目指すべきビジョンがより明確になり、ここにいては実現は難しいと感じ、退職を決めます。
そんな折、ソーシャランドの親会社であるVOYAGE GROUP(当時の社名はECナビ)で、のちに取締役を務めることになる方と食事をする機会があり、その思いを伝えたところ、「じゃ、ウチで事業起こしなよ」と誘われることに。
(事業をつくるという経験をさせてもらえる!)
矢澤さんにとって、渡りに船というのか運命的なタイミングというべきか、願ってもない幸運でした。
こうしてわずか2時間弱の思いがけないリクルートとなりました。
VOYAGE GROUPに入社、それから6年ほどの間に次々と5つもの事業を立ち上げます。
たとえばその一つが、インドネシアで展開した恋愛マッチングサービス。
出会いを促進して結婚につながればいいなと、「人をつなげるサービス」を見事に実現したわけです。
閉塞感のある君へ。こっちへおいでよ。 人とつながって情報発信するコミュニティ型生き方の秘訣 (アスキー書籍) 湯川 鶴章 KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 2013-09-19 |
※こちらの書籍で矢澤さんがどのように事業を立ちあげたか書かれています
やがて、矢澤さんの手がける事業がグループ下で会社化されることに。急転直下の決定だったため、6時間であわてて社名を付けたというエピソードも笑いながら話してくれました。
自宅で安心して子供を預けられるサービス「フローレンス」
そんな矢澤さんも、家に帰れば2歳児のパパ。
様々な社会サービスの利用者側になるわけです。
冒頭の病児保育サービスは、幼い子を持ちながら働く夫婦にとって、まさに救世主のようなありがたさ。
普段は保育園が子どもを見てくれます。しかし、熱を出した子どもは保育園では見てくれません。
会社に電話がかかってきて「今すぐ迎えに来てください」と言われ、気を遣いながら早退して迎えに行くという経験を多くの方がされているのではないでしょうか。
矢澤さんも、子供が1〜2歳ぐらいまでは風邪を引いたり熱を出したりということがよくあり、その都度、電車で1時間半もかけて、近郊の病児保育施設へと預けに行っていたそうです。
仕事の時間を割いてかけるその時間と労力はかなり大変なもの。
そこで、以前から聞いたことはあった「フローレンス」を利用してみることにしたのです。
これが想像以上の快適をもたらしてくれました。
「なんでもっと早く利用しなかったんだろう」と思ったほどだそうです。
とにかく助かるのが、病児保育スタッフの方が自宅まで来てくれること。
これまでのような移動の時間や労力から解放されるだけでも、利用料金を払う価値が充分にあるといいます。
前夜21時まで予約受付が可能で、キャンセルも当日早朝まで大丈夫。料金面でも、仕事を休んだり有給を取ったりすることを考えれば、ずっと経済的。
子を持ち働く親の「困った」を解決してくれる、本当に助かるサービスなんです。
さらに便利なのが、保育中の様子を専用サイトにアップしてくれるので、それを仕事先のPCやスマートフォンなどから確認できる点。
勤務中でもわが子の様子がちゃんと分かるから、安心して仕事に向かえるというわけです。
なにより、病児保育スタッフの方が心のこもったコミュニケーションを取ってくれるので、当の子供自身が喜んで楽しそうだというのも素晴らしい点だと思います。
この、システム面での利便性とハートフルな安心感こそが、フローレンスの良さなのです。
フローレンスが掲げる理念は「子育てと仕事の両立が普通にできる社会」。
全国的にも同様の病児保育サービスは広まってきていて、共働き家庭の大きな助けとなっています。
「子育てがあるから仕事復帰はムリ」が当たり前だったひと昔前に比べて、ずっと良い社会になってきたと言えるんじゃないでしょうか。
人をつなげることは誰かを助けること。それが次の夢に
矢澤さんの今後の夢はズバリ、「保育園をつくる」こと。
リアルな保育園でもいいし、ネットを活用したそれこそ「マッチングサービス的な何か」でもいいと考えています。
「フローレンス」で受けた恩恵に応えるべく、子育ての親の負担を少しでも軽減することができれば、少子化の問題にもわずかでも貢献できるんじゃないか、そんな風にも考えています。
具体的な時期についてはここでは秘密ですが、根っからの事業家根性のある矢澤さん。
きっと心の内では着々とシナリオが進んでいるんでしょうね。
いつか今回の「これまじ!」をも凌ぐ、便利で人のためになるサービスを生み出してくれることでしょう。
(取材:板羽宣人 / 記事:Rose)
今回のゲスト
矢澤修さん 株式会社ソーシャランド 代表取締役(facebook)
1983年生まれ。大学では社会福祉を学び、今後の福祉をもっと発展させるべく成長市場であるインターネットの世界へ。2006年にYahoo! JAPANに入社。その後、2008年に株式会社VOYAGE GROUP(旧 株式会社ECナビ)に転職し主に新規事業の立ち上げを担う。Facebookの魅力を知り、2011年にインドネシアに向けたソーシャルマッチングサービス「menurut anda?」を開始。その後もFacebookの特徴を活かしたアプリケーションを開発。2012年4月にソーシャルメディア活用したサービス・ソリューションを提供する株式会社ソーシャランドを設立し、代表取締役に就任。将来の夢はインターネットでもっと出会いの機会を促進させるサービスを展開すること。保育園をつくること。