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読者20万人のお化けメルマガ「平成進化論」の洞察深い視点の源は自伝本にあった!

鮒谷周史さん
最近はブログやTwitter、YouTubeにFacebookなど、情報発信の手段も多様化してきました。そんな中、今でも根強い人気と影響力をもっているのがメールマガジンです。

そのひとつ「平成進化論」というビジネス系のメルマガは、登録者数20万人、4000日以上に渡って毎日発行され続けているという超巨大老舗メルマガ。みなさんの中にも読者の方がいらっしゃるかもしれません。

平成進化論

それを書かれているのが今回ご登場いただく鮒谷周史さん。
一見して知的な面持ちで、お話を聞いていても豊富な知識に裏打ちされた非常に洞察の深い視点をお持ちだということがよく分かります。

それというのも鮒谷さんは書籍を通して数多の人生を読み込んできているからなのです。

自伝には人生の糧が詰まっている

今回の「これまじ!」は「自伝本」

誰しも少年時代に「ナイチンゲール」だとか「ファーブル」だとか「野口英世」といった偉人の伝記を読んだ経験があると思います。
他人の、とくに歴史に名を残す偉人の生涯を知ることは大きな刺激になるものです。

鮒谷さんがドン、とテーブルに置いた分厚い本のタイトルは『私の履歴書』。
私の履歴書

日本経済新聞の文化面で60年近くに渡って連載されている名物コーナーで、経済人や政治家、文化人などを中心に、これまで700人以上の錚々たる顔ぶれが登場した自伝記事です。それをまとめたのがこの本です。

ひたすら良書を読み漁った青春時代が基礎に

メルマガを通して膨大な量の文章を書いている鮒谷さんは、当然ながら膨大な量の本を読んできているのでした。

小学4年の時、始めて読了したまともな活字本が池波正太郎著、信長と秀吉と家康が登場する歴史物だったそうです。
その次は司馬遼太郎の『関ヶ原』という石田三成がメインの作品。何度も読み返したという思い出深い一冊です。それからどんどんのめり込み、藤沢周平など歴史小説をたくさん読みます。

中高生の頃、学校が遠くて通学に往復3時間もかかるほどだったそうで、その時間を利用して司馬遼太郎全集を読破したのでした。
「今思えば、あの頃の経験が今の基礎を作った」
というほど、濃くて実りある読書体験だったようです。

大学生になると、自分の人生の方向性について深く考えるようになり、書物を通して人物の生き様・キャリアに強く興味を抱きます。
鮒谷さんが好きだというドラッカーの言葉に
「私は何をもって憶えられたいのか」というのがあるそうで、どんな生き方をしたいのかを常に自分に問い続けながら人物を読んできたといいます。

その頃から『私の履歴書』を愛読するようになります。
やがてたくさんの先人の人生や哲学を通して、彼らに共通する生き様のエッセンス、生き方の指針のようなものが見いだせるのではないかと考えるようになりました。
そこが鮒谷さんを惹きつける自伝の魅力でもあり、その考察が後の「平成進化論」メルマガでの記事に役立っているのです。

自伝本をいかにして自分の血肉にしていくのか聞いてみた

鮒谷さんのお話はよくわかります。しかし一方で、大人物の話というのは、ちょっとかけ離れすぎていて自分に当てはまらないことも多く、どこまで参考にしていいか分からないところがあるように感じます。
その辺りをどのように考えておられるのか質問してみました。

「それは確かにそうですね。中高生ぐらいの頃は歴史的偉人などの生き方に純粋に憧れ惹かれますけど、みんなが目指すべき世界でもない。とはいえ、ロールモデルの力は大きいと思うんです。つまり、こうこうこんな生き方がしたい、と漠然と言っても曖昧でよくわかりませんが、たとえば「松下幸之助のようなりたい」と言えばピンときますよね。どこに規範を求めるかという参考にはなるわけです。

それと、名もない普通の人に見えても実はそれぞれにすごい生き方をしていて、市井の匠とかいっぱいいる。そのエネルギーは偉人に引けを取らない。世の中に影響を与える方向に向いていたら名前が残ることもあるというだけ。そこに貴賎も優劣もないんです。
名を残すような人の自伝を読むのも、その結果や成し遂げたことではなくて、そこにいたるエネルギーというものを理解して吸収できればいいと思うからなんです。そうした生き様の熱量にこそ学ぶ点があると考えています」

鮒谷周史さん

なるほど、実に素晴らしい視点だと思いました。歴史的大人物や著名な経営者はわれわれ凡人とは根本が違う。そう思いがちですが、生きる姿勢や考え方には学べる点が多くあるのですね。

膨大な数の自伝を読み込み、たくさんの人生を追体験してきた鮒谷さん。そこから得られた知見を、自分なりのフィルターを通して多くの人に共有してもらうことに力を尽くしてこられました。根底にあるのは「誰かの役に立ちたい」という思い。賞賛や見返りを期待しているのではなく、ただそれが自分の使命だとどこかで感じているのかもしれません。

そしてそれを聞くわれわれも、鮒谷さんの人生から多くの知見を得られるような気がします。
4000号を超えて今なお続くメルマガが、他ならぬ鮒谷さんの『私の履歴書』そのものなのではないでしょうか。

    


(取材:板羽宣人 / 記事:Rose)

今回のゲスト
有限会社セカンドステージ代表取締役 鮒谷周史さん(facebook

大阪府出身。甲陽学院中学校、甲陽学院高等学校卒業。早稲田大学商学部卒業。
株式会社リクルートにて法人営業(人材関連コンサルティング営業)。のち、米大手通信会社ワールドコム社へ。大阪事業所の立ち上げに携わる。
2002年、当時、アメリカ合衆国史上最大の経営破綻(負債総額は410億ドル)となった同社の倒産により退職。それを機に起業。
会社設立と同時に独自の「かけ算思考」でビジネスを飛躍的に成長させ、複数の高収益企業を経営。(うち、1社はその後、上場企業へ営業譲渡)
現在、オンラインメディア「平成進化論」の企画・運営のほか、投資先・顧問先等への企業への経営支援、マーケティング支援に携わる。
IT、セキュリティ、環境、飲食、人材、ホテル関連、海外事業などベンチャー企業、約20社に出資する投資家としても活動中。
経営者・事業家・起業家、優秀なビジネスパーソン、著者・作家、各種専門家、など、多くの方との交流を通した日々の学びを綴るメールマガジン「平成進化論」は、20万人以上の方から支持を得ている、個人発行として日本最大級のオンラインメディア。


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