シンプル!オシャレ!機能的!お手頃!4拍子そろったIKEAのブリーフケース
いくらいい物でも、値段が高かったり、手に入りにくい物では気軽に他人に紹介するわけにいきません。
その点、今回登場する「これまじ!」商品は、近年郊外に増えてきた、スウェーデン家具でおなじみの「IKEA」に売っていたというカジュアルなカバン。
紹介者はシェアゼロ株式会社の代表取締役、中川亮さん。
30歳から3度にわたり起業をしてきたアツイ人です。
IKEAでたまたま見つけた、安い・軽い・丈夫なカバン
中川さんの経歴やお仕事についてはのちほどお話しするとして、なるほど、このIKEAのカバンはどんな場面でも重宝しそうな使いやすいカバンです。
といっても正直、ブランド物でもないし、特別な機能が付いているというわけでもありません。
何しろ値段が、一般価格2,999円・会員価格1,999円という超リーズナブルな品で、ダメ元で買っても後悔しなさそうな安さです。
>>UPPTÄCKA ブリーフケース – イエローオレンジ – IKEA 販売ページ
中川さんは売り場でこれを見つけて、デザインもさることながら、そのコストパフォーマンスの良さで購入決定。
「高くて良いのは当たり前。手頃で良い物でこそ値打ちがある」という持論にもうなずける気がします。
外見のデザインはごくシンプルで、唯一目を惹くのが整然と並んだ丸いエンボス模様。さながらたこ焼きのプレートのようです。もしかしたらそれも関西出身の中川さんの興味を刺激した一因かも?(笑)(本人からんな訳ないとツッコミあり・笑)
見かけのシンプルさの割に機能性も充分。PCなどを衝撃から保護してくれるソフトケース仕様で、中の空間がしっかり守られています。しかも構造自体はハードなガワがあるので型崩れすることもなく、オシャレさを損ないません。
内側にはファスナーの収納ポケットやメッシュポケットがあり、1泊ぐらいの出張などにも使えそうです。
外ポケットは、メイン部分を開けずにちょっとした小物を取り出せるので便利ですね。
何より軽くて丈夫、それに汚れにも強いので、メンテナンスフリーなところも気軽でよいです。
飽きっぽいという中川さんも、このカバンにしてからはビジネスシーンではメインで使って1年以上経つそうで、他に高くておしゃれなかばんを見てもさほど欲しくならないそうです。
唯一惜しいのは、底面にゴム足のようなチョボがついていないので、置いた時の安定性には欠けるといった点でしょうか。
それでもこの価格を考えればかなりお買い得な一品と言えます。
通販商品のバイヤー時代
実は中川さんは、かつて雑貨やファッションの通信販売のマーチャンダイザーやファッション雑貨の店舗を湘南の自宅1Fされていたこともあり、こういったアイテムを見る目は確かなのです。
大学卒業後、商社マンとして就職するも、続かず退社。
インテリアが好きだったので、今度はインテリアデザイナーになろうとしますが、経験がなくてはなかなか採用もありません。
そんな中、輸入雑貨販売の募集を見つけ、これはと思いすぐ応募、働くことに。
ところが実際はカスタマーセンターのスーパバイザー、受注対応やクレーム処理する業務でした。思っていたのと違い愕然としましたが、ともかくそこでがんばること2年、認められて東京に栄転、マーチャンダイザーの役職に昇格します。
石の上にも三年ではないですが、与えられた環境で少しでも何かを吸収しようとする姿勢が大切なのだと教えられますね。
そうして年商3億円ぐらいの通信販売事業で、編集から商材選び、流通の対応までこなし、最終的には大手書店とコラボした雑誌を出すなど活躍することになります。
毎日何百というアイテムに触れ、材質やデザインなどを精査する日々。その中で、商品に対する目利きが養われたというわけなのです。
エンジニアと企業をマッチング、シェアで働き方を変えたい
中川さんは二度の起業を経て、次は「シェア」というキーワードを軸に事業をしたいと考えるようになります。
これからの時代、サスティナブルであることがビジネスの世界でも絶対必要。そんな中でシェアリングエコノミーこそこれからの時代に必要なビジネスモデルだと確信しました。
現在、代表を務める「シェアゼロ株式会社」は、おもにIT系エンジニアの方と、新規事業やWeb サービス開発を進めたい企業とをマッチングさせるサービスです。
キャッチコピーは「週2日からのIT仕事紹介」。
プログラマーやエンジニアの方の空いている時間を提供してもらい、企業は必要な分だけ人件費を払えばよいという、スキルや労働力のシェアによって双方にメリットのある関係を構築しています。
今年の2月にサービスインしたばかりですが、 登録エンジニアの多くは開発実績のある経験者で約2000名、登録企業はベンチャー中心に70社ほどに上ります。
とくに注目したいのが、単に企業の要求する人材をマッチングするのではなく、エンジニアさんが手がけているサービスや受注している仕事を辞めることなく並行してできること。稼働できる日数、報酬など希望条件に合った仕事を探してくるというスタンスで、「ユーザーオリエンテッドに徹底した」サービスが高くユーザーから評価いただいているのではなかといいます。
また、フリーランスで活動している人が抱えがちな個人事業における会計やオフィスの問題などに対しても、クラウドの専門家サービスや会計ソフト提供。コワーキングスペースの開放などでより働きやすい環境づくりにも力を入れています。
これからの時代、会社と個人とがもっと対等になっていくだろうと中川さんは考えています。そのキーとなるのがまさしくシェアという概念。働く人が自由な裁量で時間や労働力を提供し、企業は優秀な人材を利用でき、双方がハッピーでフラットな関係を築いていける。その橋渡しになりたい。
ひいてはそれが良い社会につながっていくのだと信じています。
道半ば、でも方向性は見えてきた
そもそもシェア(シェアリングエコノミー)は、金銭が生じない、物々交換等にて成立することが多く、ビジネスとして成立させるには困難もあり、3年かかってようやくスタートラインに立ったといいます。
40歳。中川さん自身、大きな節目だと感じているそうで、
「20代、30代で培った人脈や経験をもとに、方向性を絞り込んでいくべき時期」
と自らを位置づけます。
「交流会とかに参加して名刺を配りまくるのもいいけど、広げるばかりでは何もうまない。広げるよりも深めていくことがこれからは大事」
と、「不惑」を迎えて、自らの進むべき道に確かな手応えを感じているようでした。
(取材:板羽宣人 / 記事:Rose)