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ダチョウの肉にもぴったり?!絶品のスペイン産オリーブ「ロルダン アロレーニャオリーブ」

将来、わが家の食卓に、牛、豚、鶏肉と同じようにダチョウの肉が並ぶ日が来るかもしれないって、想像できますか?

本気でそんなことを実現させようと、日夜ダチョウ肉の布教活動に勤しんでいるのが、今回登場いただく加藤貴之さん、自称ダチョウさんです。名刺にもしっかりと「代表鳥締役ダチョウ」と書いてあります(笑)

加藤貴之さん

なにゆえ加藤さんはダチョウに目を付けたのか。

広告ベンチャーでブログマーケティングや街頭ビジョン内番組の広告営業や映像制作の仕事をしていた加藤さん。
しかし2011年の東日本大震災で状況は一変します。
看板の仕事は全てストップ。自分の生活や、これからの世界はどうなってしまうんだろう、と先の見えない不安を抱くと同時に、それまで確かだと信じていた社会のあまりの脆さを感じずにいられませんでした。

そんな折、人生初のダチョウ肉を食べる機会に出会います。

これが美味しかった。

すっかり虜になった加藤さんは、それからダチョウについて調べまくり、ついには肉や卵、羽根などを取り扱う仲介組織として「株式会社Noblesse Oblige」を立ち上げ、ダチョウ肉の普及に力を注いでいるのです。

運営する国産最高級オーストリッチ(ダチョウ)肉の通販サイト

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食べて驚き!ダチョウって美味しいんだ

まず誰もが思うのは、「ダチョウっておいしいの?」という味への不安。

百聞は「一食」にしかず。加藤さんはあちこちの飲食店と協力して、試食イベントを催してきました。
その際、まずはあえて一番固い部位を食べてもらうのだとか。
するとお客さんの反応は決まって、「思ったよりやわらかい!」と。
そこで、「実は今のが一番固いところなんですよ」と明かすと、みな驚くそうです。

ダチョウの肉

意外にもダチョウの肉はやわらかくて、獣臭さもほとんどなく、牛フィレ肉のような上品な味わいなのです。フランスやドイツでは普通に食べられているそうです。
もちろんすべての業者の肉が美味しいわけではないのですが、ポテンシャルとして、味に関しては完全にクリアしているといえるでしょう。

食糧問題を解決する救世主に? ダチョウ肉のメリットとは

それに加えて、「食糧問題を解決できるかもしれない」と加藤さんは続けます。

「最近、牛・豚・鳥とも、値段が高くなってきているのに気づきましたか?」と。
その原因は飼料となる穀物の高騰。実に8年間で2倍に跳ね上がっています。
肉も穀物も高止まりし、このままでは人類は昆虫を食べなければ生きていけないという研究報告まであるほどで、食糧問題は深刻化するばかり。

そこで福音となるのが、ダチョウのようなコストのかからない第三の食肉というわけです。

ダチョウは生命力と繁殖力が強く、少しのエサでスクスク育つ生き物で、食用家畜に最適なんだとか。おもに桑の葉やアルファルファなど葉っぱ類を食べ、エサ代は10ヶ月でわずか1万円ほど。

あまり知られていませんが、ダチョウの飼育牧場は日本中にあるそうです。ただ、普及活動の甲斐あって徐々に認知度が高まりつつあるのは嬉しいのですが、いかんせん生産が追いつかないのが現状。オーストラリア産のダチョウ肉も扱っているのですが、圧倒的に国産が人気なんだそうです。

駝鳥

供給が少ないのでどうしても価格が抑えられない。
まだまだ生産量の面でも流通の面でも課題は多いといいます。
「それらを打破するためには、われわれがもっと発信力を持つ必要がある」とクリアすべき問題はいくつもありますが、手探りながらも着実にその糸口は掴みつつあるようです。

「美味しくて問題解決」をめざして

加藤さんはダチョウに限らず、おいしくて、社会問題の解決につながる食材をオルタナフードと定義し、食から社会をよくしていける、という認識を啓蒙していく団体「AFP(オルタナティブフードパーティ)」にも携わっています。
例えばシカやイノシシ。これらは害獣とされ、年間250億円もの農業被害をもたらしています。こうした動物を食用することで、環境保護や経済にも貢献することができるのです。

他にも、海水の浄化作用が期待できる牡蠣であるとか、ワニも食肉として有望視されています。ワニは穀物のエサが要らないばかりか変温動物ゆえに少ないエサで済み、しかも人間が食べずに残る食材を与えるなどの工夫で、フードロスの解消にもつながります。

オルタナティブ、つまり既存のものに取って代わる新しい何かで「美味しくて、社会問題も解決できる」こと。
これがAFPの真の目的なのです。

現在は月に一回、AFP主催の試食会が行われ、社会問題の解決につながる新たな食文化を提唱し続けています。

月に一回は3%の変化。2回なら6%世界が変わることになる。
そんな信念のもと、今日もまたひとり、ダチョウ肉の意外なおいしさに舌鼓を打つ人たちを増やし続けているのです。

スペイン政府公認の希少オリーブ

さて、そんな加藤さんの「これマジ!」はやはり食品。
スペインの瓶詰め「ロルダン アロレーニャオリーブ」を紹介してくれました。

roldan olives

日本ではあまり食べる習慣がないのでピンとこないかもしれませんが、これはスペイン政府によって唯一、保護認証を与えられているアロレーニャ種を使用。いわば「お墨付き」の希少品なんです。

オリーブというと、なんだか料理の端っこに扱われたりパスタに混ぜられたりと、パセリや福神漬けと同じく脇役のイメージですよね。
でもこれは添え物なんかではなく、オリーブ単体で立派にオススメできる本当においしいオリーブなんです。

それもそのはず。普通は機械でバーッと一気に収穫して、薬品でまとめてアク抜きをするらしいのですが、それだと旨味が落ちてしまいます。
対してこのオリーブは、ひとつひとつ丁寧に手摘みしたものを、アンダルシア地方のセビージャで採れる塩だけで漬けているんです。だから漬け汁までおいしい。
この漬け汁にはポリフェノールが多量に含まれていて、抗酸化作用に富み、アンチエイジングにも効果が期待できるとか。

スペインの人たちは「朝オリーブ」と称して朝食に二つ三つ気軽に食べるそうです。日本で言えば梅干しのような感覚でしょうか。

加藤さんの友人が輸入業者として仕入れているとのことで、知り合いに勧めると皆、ひとつ食べると気に入ってすぐさま買って帰るそうです。ひと瓶およそ2300円ぐらい。
もしかしたらダチョウの肉と合うかもしれませんね。ぜひ試してみたい特別なオリーブでした。

どちらも食べ慣れないものではありますが、未知の食文化の提案はさまざまな可能性を感じさせてくれますね。

ダチョウは飛べない鳥で有名ですが、その分、強靭な脚力でたくましく走ることができます。加藤さんたちの活動も、派手に飛び上がるのではなく、地に足を着けて力強く息の長いものとなってくれることでしょう。

そして近い将来、食卓にダチョウ肉が普通に並ぶ日を心待ちにしたいと思います。

    


(取材:板羽宣人 / 記事:Rose)

今回のゲスト
加藤貴之さん (株)Noblesse Oblige 代表取締役(facebook / twitter

オーストリッチエヴァンジェリスト(ダチョウの伝道師)
上智大学文学部史学科を卒業し、広告会社に勤務していたが、東日本大震災の際に、仕事がストップしてしまう。そんな最中に、これからの時代に必要な食材としてのダチョウの魅力と可能性を知り、その布教(あるいは普及)活動を始める。飲食店への卸販売、一般向けの通信販売、ケータリングやイベント企画、商品開発、牧場プロデュースやコンサルティング等、ダチョウに関することなら、幅広く何でも行う。


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